安西祥大・池田桃果・木内康介「都市の棲処 -駐車場空間から読み解く余白の創出-」
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東京都千代田区錦町二丁目の一角を敷地とした設計。
現在の街の様子は、敷地いっぱいに建物が建ち並んでおり、ストリートと建築は分断され、空間的余白がないことが問題として挙げられる。また、人々の生活において、自宅と職場のシャトルランになり、生活にゆとりが見られず、精神的余白が存在しないことも問題である。
私たちは、このエリアに点在する開発待ちの駐車場を都市に存在するその空間的余白として捉え、建築全体では精神的余白を生み出すことで自宅と職場の中間領域としての安らぐ空間を提案する。都市の棲処では空間的精神的余白を創出することで自ら寄り所を見つけられる。この建築がこの町をより生きられる都市空間としていくだろう。
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空看的・精神的余白を両立させるために空間を貸し出す都市的な中庭空間だけではない、小さな余白空間を提供し、訪れた人が余白空間を自由に使い分けることが出来る場所が必要なのではないかと考える。
そのために、日中使わない空間をオフィスとして借りれたり、夜中使われない空間をカプセルホテルとして借りられるような用途でレンタルするのではなく空間の大きさや雰囲気によって自ら拠り所を見つけられるプログラムを設定した。
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6階建ての建築であり、安らげるプログマムが各階に散りばめられている。配置都市ては地上レベルに飲食店を配置し道路に対してデッキを伸ばすことで賑わいを広げる。
上層に上がるにつれカプセルホテル等空間の大きさが小さいものを配置していくことで徐々に個人の安らぎの空間へと変化させる。
それぞれの利用用途を超えて自分に合う空間をレンタル出来るような施設になっている。
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▲1階平面図
デッキや庇が道路側まで伸びていることで、建築と道路との関係性が曖昧になることで内部の空気感が外まで広がる。
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中庭空間では、デッキなどによってそれぞれの居場所を設けつつも中央に既存の道路を挟むことで囲まれた中庭空間でのアクティビティが既存の道路まで連続して広がる。
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▲2~4階平面図
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▲5・6階平面図
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最後に私たちが考える生きられる都市空間とは、自宅と職場を往復するだけの余白のない場所というわけではなく、鳥や獣が巣を作って生活するように
自ら拠り所を見つけられる棲処となりえる余白を創出することではないかと考える。
講評:都市のサードプレイスを余白と捉え、ビルと駐車場が集積する間だエリアにその拠り所を求め、ストリートと建築の連続性と界隈性、そして、敷地内のオープンスペース(中庭的空間)を設けることで、ウォーカブルなストリートと建築を構成した提案である。プログラムの循環や入れ替えの点が余白とどう繋がっていくのか疑問な点は残るものの、設計の密度やプレゼンテーションは比較的よくできている。(泉山塁威)